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投稿日: 2023年2月20日

【作品所感】積羽展/佐藤汰一さんインタビュー

「作品所感」は、スタジオで展示中の作家、ゲスト、コーディネーター等が展覧会について語るコラムです。

今回はインタビュー形式で「積羽展」の作家のお二人にお話をうかがいます。このページでは佐藤汰一さんのインタビューをご紹介します。

小林佑太郎さんのインタビューはこちら

佐藤 汰一

Taichi Sato

──書をはじめたきっかけ、また大学で書を学ぼうと考えたきっかけなどありましたら教えてください。

小学2年生の頃、母に字が汚いからという理由で書道教室に連れていかれたことが、書をはじめたきっかけだと記憶しています。真面目に取り組めば取り組むほど、上達が目に見える書に楽しみを覚え、中学校・高校も書道部に入部しました。このときの書道部の先生の存在が、大学で書を学ぼうと思ったきっかけになりました。先生は私の作品を認めてくれたり、書の多様な表現を見せてくれたりと、書の楽しさをたくさん教えてくれました。そう過ごすうちに、書をもっと学べる環境に行きたい、先生のような教師になりたいと思うようになり、書が学べる大学への進学を考えるようになりました。筑波大学も先生から薦めていただいた大学です。

 

──筑波大学ではどのようなことを研究されていましたか。

中国の清代後期から民国初期にかけての書家に見られる書表現に注目した研究です。当時、古典(古人の優れた書)に一定の流行が示唆され、加えてこの古典を支点にさまざまな書表現が創造されていったことが推察されました。今回の展覧会に出品している作品のなかには、この時代の書家らを参考に制作したものもあります。

 

──仮名・漢字・篆刻、また書体もさまざまありますがどういった制作がお好き(得意)ですか。

私は断然漢字です。書体はどれも好きですが、楷書が一番好きです。そのなかでも、ゆったりとした雰囲気をよく書きます。隷書・篆書といった厳正さが求められる書体は苦手です。仮名や篆刻といった繊細な制作も私の性格上合わないです(笑)。その点、小林くんの仮名作品や隷書作品は本当に厳正・繊細で尊敬しています。

 

──ご自身で感じている「書の魅力」はなんですか。

私は文字の構成美と環境による線の多彩な表情にあると考えます。文字はさまざまな点画によって構成されており、そして空間の確保やバランスの均衡といった構成美が組み込まれています。ただ、書の魅力はこれだけに留まりません。筆・墨・紙といった道具によって、点画ひとつひとつの線の表情も変わります。また、書いた状況によっても左右されます。例えば雨の時に書けば、紙が湿気を取り込むので滲んだ線になりやすいです。このように、書いたときの環境がそのまま線に現れるのです。文字の構成美と多彩な線の表現が織り交ぜることができる点に「書の魅力」があると考えます。

 

──今回の展示で見てほしいポイントなど教えてください。

今回の展覧会ではさまざまな書体、そして厳正で飾り気のない書風から一種奇怪とも見える書風の作品を敢えて織り交ぜて出品しています。この理由には、多くの表現に触れてもらいたいという想いがあるからです。日常生活を取り巻くデザインされた文字も良いですが、そこから離れた書の表現の面白さにも気づいてもらえたら幸いです。

 

作品解説(展示作品より)

作品「子規の句」

句にある「ほつかりと」という擬音にあうような雰囲気を意識してまとめました。普段は白い紙に制作しますが、句の情景を思い浮かべやすいように、黒い額にオレンジ色の画仙紙を使っています。落款印だけでなく、遊印を使うことで作品に統一感を出せたと思います。

 

 

──お話しいただき、ありがとうございました!

 

小林佑太郎さんのインタビューはこちら

「積羽展」(書二人展)

会 期) 令和5年2月21日(火)~3月5日(日)
会 場) スタジオ’S
茨城県つくば市二の宮1-23-6 (関彰商事株式会社 つくば本社敷地内)
時 間) 9:00~17:00  入場料無料  無料駐車場あり